本の概要
本書は、「やり方」を変えることで人生や仕事の質を高める思考法としての「エッセンシャル思考」を提案しています。エッセンシャル思考をより理解しやすくするために、「非エッセンシャル思考」と対比しながら説明されているのが特徴的です。ページに時折はいる絵や余白が真っ黒なページも目を引きます。
エッセンシャル思考とは、何でもかんでも手を出すのではなく、本当に重要なものだけに絞り込む考え方です。著者は「大事なことは、実はそれほど多くない」と述べ、「やらなければならない」ではなく「やると決める」という主体的な選択の重要性を強調しています。数多くの選択肢の中から最も重要な問題を見極め、それ以外は思い切って捨てる。本書では、さまざまな人の実体験が紹介されており、やることを絞ることで分散していた力を、本当に大切なことに集中することができると書かれている。
また、自分で優先順位を決めなければ、他人に時間やエネルギーを奪われてしまう。エッセンシャル思考を知り、選択肢を見極め、捨てる技術を身につけ、それを仕組みとして定着させていく————本書はその一連の流れを丁寧に解説してくれています。
印象に残っている言葉・ポイント
「教えてください、あなたは何をするのですか/その激しくかけがえのない一度きりの人生で」
メアリー・オリバーの詩の一節として紹介されている言葉です。私は、朝起きて仕事に行き、帰宅して少し過ごしたら眠り、また仕事へ行く……という日々を惰性で繰り返していました。この言葉は、そんな生活の中で一度立ち止まり、自分の人生について真剣に考えようと背中を押してくれる言葉だと感じました。
「ある種の努力は、ほかの努力よりも効果が大きい」
これは、著者が大学生時代にカスタマーサービスのアルバイトをしていた頃の経験談から語られているます。その会社にとって最も価値があるのは、解約を考えている顧客を引き留めることだと気づき、そこに全力を注いだという話でした。私自身の仕事においても、会社にとって最も貢献度の高い仕事は何かを意識して探し出し、見つかったら力の入れ方を変えてみようと思いました。
「われわれに必要なのは、もっとゆっくりイエスを言い、もっとすばやくノーを言うことだ」
トム・フリールCEOの言葉として引用されており、エッセンシャル思考を実践するうえで欠かせない姿勢だと感じました。私は「イエス」と言うことに慣れてしまい、「ノー」と言うことに強い罪悪感を抱いてしまいます。断るよりも引き受けた方が気が楽だと感じてしまい、結果として後悔する経験を何度もしてきました。改めて、断る技術を身につける必要性を認識した。
自分の生活への応用
本当に重要なことを見極めるには、まず「考える時間」を確保する必要があると気付きました。そのために、仕事から帰宅してから寝るまでの数時間や、早起きをして時間を作ることの大切さを感じています。高田晃著『とにかく早起き』を読んでから、少しずつ早起きができるようになってきており、良い傾向だと感じています。二度寝をしてしまうこともありますが、朝早く起きれる日が増えています。
本書では、重要なことを選ぶためには、非常に魅力的なオファーであっても断る必要があったというエピソードが紹介されています。今のところ、そこまでの経験はないがですが、将来そのような場面に直面したときには、もう一度そのページを開きたいと思います。また、気づきを得るためには「遊ぶこと」「本を読むこと」「よく眠ること」も必要だと書かれており、意識的に生活へ取り入れていきたいです。
この本が向いている人
やることが多すぎて常に時間が足りず、頑張っているのに成果や評価につながっていないと感じている人におすすめの一冊です。パート2では重要なことを見極める技術、パート3では捨てる技術、パート4では仕組み化の技術が解説されており、多くの人の経験をもとにしているため理解しやすい。内容は実践的で、小難しい話が苦手な人でも読みやすいと感じました。
また、「人間のモチベーションに対して最も効果的なのは『前に進んでいる』という感覚である」といった知見も得られます。著者の子育てに関する経験も語られており、その人間性が垣間見える点も本書の魅力の一つです。
まとめ
生活がうまくいっていないと感じたとき、必要なページに戻ることで、再び前に進むヒントを与えてくれる一冊です。一度読んで終わりではなく、悩んだときや行き詰まったときに何度も読み返したくなる本。人生をより良くするためのヒントが、豊富な経験談をもとに凝縮されている。
『エッセンシャル思考』というタイトルのとおり、無駄なものが削ぎ落とされているため、内容の濃さに反して非常に読みやすい。エッセンシャル思考で本を書くとどうなるのか、その実例として読んでみるのも面白いかもしれません。
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